柱だけ4寸角って?

柱だけ4寸角を使って・・・でもその効果は?

最近わたしが疑問に思ったこと!

近頃、広告で目にしたものに、「当社は4寸角の柱を使用しています!」
という謳い文句で3.5寸の柱と写真入で比較して、
さも3.5寸だと弱いと思わせるような広告です。
いわゆる差別化の意味合いで、他社より太い柱を使っているから、
当社の建物はとても丈夫ですよ!との意味合いだと思います。

当然3.5寸の柱よりは4寸の柱のほうが太い訳ですから、丈夫である事は確かです。
そこは否定しません。それではいったい私が疑問に思う事とは何なのか?
ご存知の通り、建物とはいろんな部材(木材)を組み合わせる事によって完成します。
相当の種類がある部材のなかで、柱だけを太くしたからといって、
総合的にどれだけの効果があるのかという事です。

私が思うに柱の他に、土台や胴差・梁・桁・母屋といった部材すべてを4寸にしたのであれば、
その建物はとても強い建物である事は認めます。
しかし、今回わたしが目にした広告は、柱だけ4寸なんです。
その他の部材は3.5寸を使っているんです。
3.5寸角の土台の上に4寸角の柱が載るんですから、4寸の柱に伝わってきた加重を
3.5寸の土台が受け止めることになります。それって変じゃありませんか?
4寸角の柱に伝わってきた加重を、同じ4寸角の土台が受け止めてこそ総合的な効果が生まれるはずです。

ここで少々専門的な話になりますが、お付き合い下さい。
本来建物の柱は垂直の加重のみを受ける事になっています。
柱には垂直の加重しか与えてはいけない事になっているんです。
「1階の柱が2階の重さを垂直に支えている」と考えればわかると思います。

2階の重さはそれを支える1階の柱に対して、真下へ向かって力を与えています。
鉛筆を例にしてみると、鉛筆に対して軸の方向へ力を加えても折る事はできませんよね!
でも、直角(軸に対して横方向)に力を与えるとポキッと簡単に折れます。
たとえツマヨウジでも軸方向へ垂直に力を与えたのでは、なかなか折る事は出来ません。
それが直角の方向(軸に対して横方向)からの力だと、いとも簡単に折れてしまいます。
そもそも木材は、軸方向に対してはものすごく強い性質を持っています。

ところが建物が一番弱いのは横からの力なんです。いわゆる地震による横揺れなどです。
人間でも同じです。誰しも経験があると思いますが、
重いものを背負ってただじっとしているのであれば、かなり重いものでも背負うことができます。
ところが、その体を横から押されたら、ほんの少しの力であっても、
我慢できずによろけてしまうはずです。話が横道にそれましたね・・・

それでは横方向からの力にはどうやって対抗しているんでしょうか?
それは皆さんもご存知の「スジカイ」がその役目を担っています。
その事から、スジカイがとても重要といわれている意味がわかってもらえると思います。

そこで話を戻しますが、ツマヨウジや鉛筆の例でもわかるように、
木材は垂直の加重に対して、本来すごく強い性質があるのにも関わらず、
3.5寸角を4寸角にしたからといって、どれだけ効果が上がるのか?との疑問です。
それよりも横揺れに対する対策をした方が得策ではないのか?と思うのです。

それは、細いよりは太いほうが丈夫であることは間違いありません。
ところが建物の強度は単体の部材だけを太くしたからといって、
建物全体の強度が増すとは限らないんです。
部分的にだけ極端に強くすると、そこに力が集中してしまい、
むしろその廻りから崩壊する事もあるのです。

わたしが言いたいのは、3.5寸ですでに必要十分な強度があるにも関わらず、
コストをかけてまで、4寸にする必要性です。
ただ単にお客様に対しての差別化やアピールのためだけであれば、
間違った認識を与えてしまう事にもなりかねません。
私はそこを一番危惧しているんです。

あの業者は3.5寸の柱を使っているから弱いとか、
あそこの工務店は4寸を使っているから強いとかです。
そういう間違った認識を与えてしまう事がものすごく心配なんです。
そのような恐れがある広告をしている業者には、かなりの責任があると私は思います。
家を建てる方は建築には素人である場合がほとんどです。
建築のプロである業者が、素人に対して誤解を与えるような事があってはならないと思います。
今回のお話はここまでにしておきましょう!

その他にもまだまだ私が疑問に思うことがいっぱいあります。
それはまたの機会にお話しましょう。

如何ですか?「なにを知ったかぶりを言ってるんだ」と思いますか?
それとも、「なるほどそうなのか」と思いましたか?
これを読まれた方それぞれがどう感じるかは自由です。
ただ、頭の片隅にでも記憶しておけば、きっと役立つ事があるかもしれません。